猪俣組
雑記一覧 過去ログ
12/08 しあわせなこと
11/10 時間割表を確認する
10/21 空を飛んだヒヨコ
09/08 若者ぶれる若さ
08/14
08/11 天国と地獄
08/04 屋久島の自然を求めて:星空編
08/02 屋久島の自然を求めて:味覚編
08/01 屋久島の自然を求めて:過酷編
06/30 子供達が見るもの
06/20 加齢臭は臭いに限らず
06/06 顔に出る
05/30 それぞれの都合
05/26 新鮮という意味
05/06 生き延びるための巡業
04/24 酔っ払いの癖
04/04 怖いかつら
03/31 妻に逃げられた男になってみる
03/21 『エロ』と『遊び』の膨張する余地
03/07 信じたいから疑う
03/03 いとしい過去の断片
02/27 職人が消える
02/12 ぽっくり逝くこと
01/25 理想は追わない
01/08 挨拶する隣人
01/07 ケータイのない待ち合わせ
 しあわせなこと
 引越し日が着実に近づく中、普段、触れない押入れの中の荷物を片付けようと手を伸ばす。必要なものと不必要なものを取捨選択していると、以前に使用していたケータイが出てきた。およそ、19歳〜24歳の間――ちょうどこのマンションに住みだした前後に使い始めたものだ。充電器も一緒に付いていたので、試しに充電して電源ボタンを押したら、息を吹き返した。だが、メールデータは破損しているようで閲覧できない。画像フォルダの方は確認できた。
 かつての画像が次々と出てくる。
 通っていた大学内のキャンパス。いまはいない飼い犬。クラスメイト。居酒屋で酔って撮ったぶれた画像。梅田の夜景。梅田の夜の公園。当時付き合っていたひととそこで語らっている風景。引っ越す前の実家の自室。愛用していたワープロ。6年前の父と母。マンションの部屋からの雪景色。名前と共に「おたんじょうびおめでとう」と書かれたチョコレートケーキ。
 あまりの懐かしさと、あぁ自分は幸せだったのだと思うと、不覚にも涙があふれて止まらなかった。この部屋で着実に時と記憶を刻んだことを再認識する。いまの自分を創り上げてきた昔の思い出に涙できることは、きっととても幸せなことだと思う。

 別の日に片づけを再開したら、今度は中学時代の連絡帳と教科書が出てきた。そこに書かれたメモや落書きを見て、また涙する。そのことを友人に伝えると、「お酒が入っていないのに涙もろいって、もう年よ(笑)」と言われた。
 確かにそうかもしれない。
 過ぎたことを水に流す、と言うけれど、おいらは流したくない思い出ばかりで幸せ者である。

2008.12.8(mon)
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