猪俣組
雑記一覧 過去ログ
12/08 しあわせなこと
11/10 時間割表を確認する
10/21 空を飛んだヒヨコ
09/08 若者ぶれる若さ
08/14
08/11 天国と地獄
08/04 屋久島の自然を求めて:星空編
08/02 屋久島の自然を求めて:味覚編
08/01 屋久島の自然を求めて:過酷編
06/30 子供達が見るもの
06/20 加齢臭は臭いに限らず
06/06 顔に出る
05/30 それぞれの都合
05/26 新鮮という意味
05/06 生き延びるための巡業
04/24 酔っ払いの癖
04/04 怖いかつら
03/31 妻に逃げられた男になってみる
03/21 『エロ』と『遊び』の膨張する余地
03/07 信じたいから疑う
03/03 いとしい過去の断片
02/27 職人が消える
02/12 ぽっくり逝くこと
01/25 理想は追わない
01/08 挨拶する隣人
01/07 ケータイのない待ち合わせ
 時間割表を確認する
 夢を見る。おいらは現在の年齢・容姿で、ごく最近の日常生活を送っているのだが、場面が転換すると突然、時間割を確認し始める。月曜日から金曜日までの1限目から6限目までの科目が記された時間割表。そして手に持っている鞄の中身を覗き、今日の時間割に必要な教科書やノートがちゃんとあるか確かめるのだが、いつもここで同じことが起こる。忘れ物をしている。
 繰り返し見る夢というのは珍しくないだろうが、もうすぐ28歳になるこの年齢になってまで、時間割表をまちがえ、家に置いてきた教科書やノート、体操着を思って肝を冷やすその瞬間には、この世が終わってしまうくらいの恐怖が含まれている。

 誤解されないように言っておくと、実際には、忘れ物をそれほど怖がってはいなかったのだけれど(というより、忘れ物以外で、もっと怖いことはあるのだから)、何かしらひっかかるものがあったのかもしれない。先生に叱られるということよりも、自分が忘れてしまった現実に、見過ごせない何かがあったのかも。おいらは、心身いずれにしても発生した傷について原因を記憶している。そして自分なりに何故その傷が発生したのか模索する。自分で見つけた原因が正しいかどうかは別にして、とりあえず「こうじゃないか」と用意する理由は、何かないよりも、あったほうが納得しやすいから、落ち着くからに過ぎない。

 考えてみれば、学生の頃の時間割表は、現代を生きる生活の象徴に思える。授業にしたって然り。別に定時に迫ってくる科目がきらい、苦手だからと言ってサボったとしても、世の中からはみ出していくのは本人。あらかじめ予習をしておくのも本人の自由。だが、予習の方法がまずければ必ずしも効果を発揮しないように、ただ机上の情報だけで頭でっかちになっていては、いざって時のリアルの本番にヘマをかましてしまうこともある。
 忘れ物をしたとき、「うっかりは言い訳にならない」と苦言した先生がいた。時間割表が必要なくなったいまになって、何となくわかる気がする。本当の忘れ物は、「うっかり」なんかでは忘れられるものじゃない。おいらは現在、ないはずの時間割表に縛られながら毎日を送っているのだろう。ないはずの時間割表と、「うっかり」では忘れられない忘れ物がないか、照らし合わせながら。そして毎日のように発生する宿題を、なんとかやり遂げながら。
 おいらは本当に、時間割表に乗れているのだろうか。

2008.11.10(mon)
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